いまにし歯科Blog
| ハロアル新聞7月号より

ハロアル新聞7月号より

2020年7月2日 10:13 AM


「院長手記」

~大切なこと~

2020年も7月に入り下半期のスタートです。本来ならば今頃東京はオリンピック一色となっていたことでしょう。出場する選手は勿論のこと準備に携わった方々、応援する全ての人々の思いがコロナウイルスによって狂わされてしまいました。予定では来年に延期だということですが世界の状況がこのままではその予定さえも変更せざるを得ないでしょう。震災にしても今回のウイルスの問題にしても私たち人間は時として本当に無力だなと感じさせられます。

しかし、私たちはそんな沢山の問題や経験からも学習し、今後のリスクを減らしていく努力をして行かなければなりません。その為には緊急事態宣言が解除され、移動制限も無くなった今一人一人の生き方が大事になって来るのではないでしょうか。決してコロナ前の全てが自由になったわけではありません。これからも秋冬に必ず訪れるインフルエンザ流行期のコロナとのダブル感染だけは何としても最小限に抑えて行かなければなりません。感染流行は一発で医療崩壊へと繋がります。そうなれば病院に入れない重症患者が増え、最悪は死に至る人が多数出てしまうことになります。その為にも少なくとも治療薬や予防のワクチンが開発されるまでの間はコロナ前の生活に戻ることは不可能なことではないでしょうか。

患者さんとお話しする中でコロナ前の生活に100%戻りたいですか?と何人かの患者さんにお聞きしましたが、ほとんどの方が「うーんと考え100%は戻らなくていい」とお答えになりました。例えばテレワークで会社に行かずとも仕事ができる方は今のままテレワークを続けていたいという方や時差出勤などをされている方は満員電車での通勤はもうしたくないという方、夜遅くまでの残業残業生活には戻りたくないとか、家族で過ごす時間が増えたのでそれはそれでよかったという方などなど・・・補償なき自粛により経済的に大きな打撃を受けている方々にとっては本当に不安な毎日が続いていますがその方々にとってもコロナ前が100%満足の行く生活を送れていたかと言うとそうではないという人も少なくはありません。要するに私たち人間は究極何を求めているかと言うとお金や物だけでは決して満たされない「幸福度」がどれだけ高く生きているかということです。人間の寿命は一人一人違います。と言うことは1日24時間は誰にでも平等に与えられているけれど1分1秒の価値は人それぞれ違うことになります。人生の1分1秒をどれだけ幸せと感じることが出来るかが本当に大切なことなのではないでしょうか。

毎年世界幸福度ランキングという調査が行われているのですが全世界150か国以上の国々の国民に調査をしているのですが日本は62位でした。しかもここ5年間で見ても日本の順位は年々下がっています。多くの人が「幸福」を追求しているわけですが、そもそも「幸福」とは何なのでしょうか。収入の多さや社会的地位の高さが必ずしも幸福度につながっているわけではありません。最新の2020年度版の幸福度ランキング上位を見てみると、1位フィンランド、2位デンマーク、3位スイス、4位アイスランド、5位ノルウェーと北欧諸国が多く並んでいます。幸福度ランキングの上位に並ぶ北欧では、社会保障がしっかりしている点が理由として上げられることが多いです。しかも上位の国は何年もずっと変わりません。この日本の順位を聞いて皆さんはどう思いますか。これからの日本が何を目指しどうなって行けばいいと思いますか。私は過去3度に渡りデンマークへ行き世界最高と言われているデンマークの福祉、医療、政治を学んできました。そして世界でもっとも劣悪な環境と言われているフィリピンのスラムへ17年間足を運んでボランティア活動させていただいています。今の日本は決して幸せな国と胸を張って言えないのではないでしょうか。もちろん経済的、物質的豊かさから言えばデンマークやフィリピンと比べても上であることは間違いありません。しかし、政治にしても社会保障にしても頑張っても頑張っても将来が不安な人が多いのは何故でしょうか。少なくとも私たち大人がこれらのことをしっかり考え、夢と希望に溢れた未来を子供たちに繋げて行かなくてはなりませんね。


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