いまにし歯科Blog
| ハロアル新聞2月号より
ハロアル新聞2月号より
2021年2月19日 5:55 PM
「院長手記」
ハロアル現地活動延期
2度目の緊急事態宣言の中、今月に入り一段と寒さが厳しくなってまいりましたが、くれぐれも体調を崩さぬようお気を付けください。1年以上続いているコロナウイルスとの戦いもようやくワクチン接種の話が我が国でも現実味を帯びてきました。しかし、相手は未知なるウイルスです。変異ウイルスも数種類存在することがわかってきましたがどうかワクチンが効いてくれることを願うばかりです。今年は徹底したマスク生活のお陰でインフルエンザは私の周りでもほとんど罹患したという方はいませんが油断は禁物です。インフルエンザとコロナウイルスとのダブル感染だけはどうしても避けたいところです。インフルエンザについては以前もお話ししましたが、ウイルスが湿度に弱いため室内を十分加湿し、喉の乾燥を予防してください。プラークコントロールもしっかりと出来ている人とそうでない人とでは罹患率が10倍違ってきますので歯と歯肉を磨く歯肉マッサージ磨きでインフルエンザも一緒に予防していきましょう。昨年もお話ししましたがコロナウイルスの感染力は非常に強く、無症状感染者も多数存在しているため100%の感染予防は誰もが難しいと思います。しかし、もし感染してしまったとしても発症、重症化しなければ命を守ることが出来ます。そこで発表されたのが新型コロナウイルス発症、重症化には3つの要因が体内で全て揃った時に発症、重症化するということがわかったのです。
- 1、基礎疾患を持っている
- 2、細菌性内毒素(細菌が出す毒素でエンドトキシン、LPSと呼ばれるものが血液の中に存在する)
- 3、新型コロナウイルス
1と3は防ぐことが出来ませんが2はどうでしょう。2の細菌とはグラム陰性菌すなわち口腔内細菌なのです。ですから歯周病予防(プラークコントロール)は新型コロナウイルスの発症、重症化を抑えるために最も効果のある予防策と言えるのです。口腔内細菌が成熟し体内で悪さを起こす周期は約28日と言われていますので月に1回の予防通院を心がけてください。私達も皆様お一人お一人が健康で長生きしてもらえるよう一生懸命サポートさせて頂きます。
さて、いまにし歯科診療所にとっての2月はハローアルソン・フィリピン医療ボランティア現地活動なのですが今年は延期となってしまいました。私自身、物資、カンパ、様々なところで活動を支えて下さる皆様のおかげで17年間この活動に携わることが出来ております。一歯医者の呼びかけに本当にたくさんの方々がご協力して下さっていることに心より感謝申し上げます。連日のように物資が届くようになってきましたが、診療の日ではないにもかかわらず物資を寒い中届けてくれる患者さんもいらっしゃいました。私達はボランティア活動をさせていただいておりますがその前に私達自身がたくさんの方々のボランティアを受けていることに気付かされます。この活動の対象となっている方々はフィリピンのスラムに暮らす経済的極貧困層と呼ばれる人達です。1家族が1日100円以下で暮らし、食事も基本1日1回、子供たちは慢性的な栄養失調のため日本人より小さく身体の抵抗力がないため感染症に罹りやすく本来治る病気でさえ命を落とすことが少なくありません。さらに新型コロナウイルスの影響も劣悪な環境のスラムでは我々の想像を絶する状況と現地スタッフから聞いています。
「夢は15歳まで生きること」この言葉はスラムに暮らす少女が私に言った言葉です。人は生まれてくる場所を選ぶことは出来ません。生まれながらにして世の中が創った不平等を背負って生きていかなければならない人達がたくさんいます。世界中がコロナウイルスの影響を受けながらも何とか生活している中でコップ一杯の水が飲めずに死んでいく子供たちがいます。一人一人に出来ることはほんの小さなことかもしれませんが、その一人一人でこの地球は作られているのです。私には8歳、5歳、2歳の娘が居りますが、将来この子たちが大人になったとき、生まれてきて良かったと心から言えるような社会を私達大人が創っていかなければならないと思います。今年は現地には行けませんがスラムで暮らす子供たちの安全と健康を願いこれからも今の私に出来る精一杯の活動をして行きたいと思います。今後も皆様からの温かいご支援ご協力の程宜しくお願い致します。
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